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2007年7月15日 - 2007年7月21日に作成された記事

2007年7月19日 (木)

河合隼雄さん、逝く

 ユング派の臨床心理学者で、文化庁長官でもあった河合隼雄さんは、昨年8月、脳梗塞で倒れ意識不明となり、再び意識は戻らぬまま、本日逝去された。
 (朝日新聞訃報

 ぼくが初めて河合さんの著作を読んだのは、大学生になってしばらくした頃、確か『無意識の構造』だったと思う。もう、30年くらい前のことになる。
 一読ショックを受ける、という本ではなかった。
 平明だった。とにかく難しい言葉は使わず、ユング心理学に基づいて、無意識の世界が誰にでもわかるように書いてあった。
 その後、小此木啓吾さんを読んだり、岸田秀さんを読んだり、心理学系統の本は比較的たくさん読んでいた。特に、河合さんに出会って後、しばらくして読んだ岸田秀さんの『ものぐさ精神分析』にはショックを受けた。しばらくは岸田秀さんの著作に夢中になった。
 ところが、朝日レクチャーブックスというシリーズ(当時、第一線で活躍されていた学者に、著名人が講義を受ける、という対談形式の本だった)の「ユング心理学講義」の本として出された『魂にメスはいらない』(生徒役が谷川俊太郎さんだった)を一読、「生」の河合隼雄の面白さにびっくり仰天。特に谷川さんの詩を分析する河合さんの解説の見事さには、これが臨床心理学者の実力か! と、目から鱗が落ちた。
 ぼくはここから本当に河合ファンになった。
 河合さんの本は出る端から全部読むようになった。
 そして河合さんは少しずつ、次第に加速度がついて、ぼくと同じような河合ファンを獲得していき、活躍の場をも広げていった。それは、河合さんが常に勉強を続け、課題に挑戦し、一つひとつ克服していった人だったからである。河合さんの著作は、狭義のユング心理学にとどまらず、ある時は仏教に接近し、あるときには自然科学に切り込み、あるときは子どもの本を語り、あるときには教育問題に接近し、夥しい数の人々と親しく交わり、それらすべてを肥やしとして臨床の場に還元し、臨床の場でつかみ取った現代日本人の抱える深い悩みや苦しみ、問題をまた学問の世界に、さらに社会へと、往還させるがごとくの仕事ぶりだった。
 最後まで河合さんの著作は常に主題について懇切で、ユーモアをも忘れず、広い視野から執筆されていた。
 河合さんについて、一番適切な評言を書いたのは、山田太一さんだったと思う。PR雑誌か何かでたまたま目にした山田さんの文章で、河合さんについてのものだったが、山田さんは確か、日本に大人らしい大人がいなくなって久しいと思うが、ぼくの中では河合さんは、「大人」をイメージしようとして一番最初に浮かんでくる人なんだ、という意味のことを書いていた。
 ぼくも、それを読んで深く頷いたものだった。

 その、「大人」が逝ってしまった。
 本当に、悲しい。

2007年7月18日 (水)

「推理冒険の星」を開星致しました(dozeu.net書店『銀河望遠鏡』)

推理小説やハードボイルド、冒険小説などを集めて「推理冒険の星」を開くことにしました。まだ登録点数は少ないのですが、近々(いつも当てにならなくて済みません)追加するつもりです。ご贔屓に。

参院選とインターネット

政治音痴のぼくでも、以前に比べて政治意識が強くなってきた思う。
この国の行く末にふと不安を感じることも増えたし、政治家の言動に首をかしげたり、腹を立てたりすることも増えた。
相変わらずしっかりした自分の政治的立場なり方向性を持っているとは言い難いが、この国に生きているひとりとして、懸念を覚えることが増えていく、というのが実感なのだ。問題になっている年金のこともそうだが、教育のこと、歴史問題のこと、憲法改正論議、温暖化のこと、税金の問題、公務員の天下り、国の債務、介護保険‥‥どれも、何故? と思うことが多い。
原因として、自らを鑑みて、政治的無関心、投票行動の軽視、国政への監視意識の薄さ等があったのは間違いない。傍観者的で参加意識が弱かったのである。
御上がすべて良きに計らって下さるだろう、てな具合である。

とんでもない。ツケが回ってきているのだ。

静岡大学の情報学部の教授が、選挙でのインターネット活用の研究の一環として、「sangi.in」という参議院選挙に関する情報サイトを作っているそうだ。「政党、候補者のマニュフェスト検索システム」とか、「投票エージェント」などという、役立ちそうなコンテンツがあるという。早速「投票エージェント」とはどんなものか、やってみた。
投票エージェントとは、有権者がウェブサイト上のアンケート調査に回答することで、事前に立候補予定者から得た同一のアンケート回答をもとに、最も争点に対する考え方の近い候補者を提示するシステムなのだった(「争点」は、過去約半年分の大手全国紙5紙の記事1687本を機械的に分類した結果に基づいて設定されている、そうだ)。
これは案外面白い。システムの精度や公明性について技術的にどうなのかわからないが、自分の考え方に近いとして示された候補者が、考えていなかったような政党の候補者であったりする。つまり、候補者の見直しに通じるし、個々の候補者のレベルで政治的立場を検証する一助になる可能性があると感じた。県ごとに候補者の一覧があり、ホームページへのリンクなどもあるので、その点も便利だ。

政治、には必ず立場があり、その立場からみれば、争点も百八十度違って見えてくるものだ。透明性と客観性の追求は難しい課題ではあるだろうけれど、偏りがちな個々人の視野を広げて、政治参加するツールとして、このような試みが役立つ可能性を感じた。

2007年7月17日 (火)

「SFの星」を開星いたしました(銀河望遠鏡)

本日、従来の「早川書房の星」並びに「東京創元社の星」を発展的に解消し、「SFの星」を開きました。もちろん、早川書房、東京創元社のSF関連本のみならず、各社のSF関連を集めています。より利用しやすくなって、さらにラインナップを充実させていく予定です。

2007年7月16日 (月)

萩尾望都と漫画の星に32点追加しました(銀河望遠鏡)

新規登録本のお知らせです。
萩尾望都と漫画の星に32点追加いたしました。「トーマの心臓」や「ポーの一族」ほかの歴史的といってもいい萩尾望都の傑作を合計16点、さらに星野之宣、諸星大二郎、清原なつの作品を合わせて16点です。

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