« 2008年8月24日 - 2008年8月30日 | トップページ | 2008年12月14日 - 2008年12月20日 »

2008年8月31日 - 2008年9月6日に作成された記事

2008年8月31日 (日)

iPhone とは何だろう

iPhone を買って一か月が過ぎました。
もともとマックユーザーの端くれなので、iPhoneを手にすることに違和感はない。
いままでケータイ全般に必要悪的な付き合い方(?)しかしていなかったぼくだけれど、iPhoneにはその発表からこのかた期待して手にする日を待っていた。

iPhoneは、明らかに今までの携帯電話と見た目も機能も一線を画するものだから、めずらしさもあって、人の興味をひく。こちらもつい見せびらかしたり、その特徴をとくとくとしゃべったりすることになる。
手にして間もない頃、間違ってiPhoneからメールを目の前にいる友人の携帯に送った。速攻で返事がきた。一言、

ばーか。

と、書いてあった。
うーむ。まいったね。
でも、そうなんだろう。iPhoneを夢中で説明しつつ操作を間違えるぼくの姿は、「ばーか」なんだろう。そう思った。タップするだけで簡単に電話がかかってしまうので、住所録を整備しているときに、電話がかかってしまって大慌て、なんてこともあった。
iPhoneに振り回されている感じの人間 —ぼくのこと— は、確かに「ばーか」に違いない。

それでも、iPhoneが画期的な「何か」で、我々の生活に何か質的な変化をもたらす可能性を秘めたデバイスであることを、ぼくは疑う訳ではない。
iPhoneは確かに画期的な商品だと思う。
今、ぼくのディスクトップ機で『海辺のポーリーヌ』というエリック・ロメールの映画をiPhone用にDVDから再書き出ししているのだけれど(一度書き出しには成功したのだけど、字幕が抜けていて、また字幕入りの設定で同じ作業を繰り返している。むろん、個人所有のDVDだが、著作権上は問題があるのかもしれない)、そのQuickTimeのファイルをiTunes経由でiPhoneに送ると、1G程度のサイズのファイルになるのだけれど、それでちゃんと映画を鑑賞できてしまう。
この作業は、近々いくつもりの旅行に備えてのものなのだけれど、16Gの容量があるiPhoneなら、映画を二三本入れて行くのは負担にならない訳だ。
機能として真新しい訳ではない。しかし、実際の旅行ではどうだろう。旅行のスタイル(と、その持って行く荷物)を変えてしまう。パソコンやポータブルDVDプレイヤーなどがなくても「映画」を持ち運べる。

昨日は、app storeで購入したアプリiTrailを起動してから散歩にでた。GPS機能内蔵のiPhoneは、散歩しながらその距離や、速度、経過ポイントのマッピングなどができてしまうのだ。音楽を小さな音で鳴らしながら(iPhoneにはモノラルだけれどスピーカーまでついている)距離を確認しつつ歩くのは、散歩の感触を変えてしまう体験だった。

携帯用のブラウザではなく、パソコンと同等のフルブラウザSafariを内蔵するiPhoneは、Flashの表示が出来ないなど、一部制限はあるものの、その拡大縮小機能を使えば、大体のサイトは不自由なく(or 少なく)閲覧可能だ。ブックマークも自宅パソコンと同期している。ただし、iPhoneで面白いのは、iPhoneのインターフェイスである整列した四角いボタンアイコン(一つひとつがアプリケーションに対応する)と同じに、サイトのブックマークを四角いボタンの形式で登録できてしまうところだ。デフォルトで用意されているアプリ「天気」は一週間表示で、精度も今ひとつ、使い勝手のよいアプリとは言えないと思うのだが、代わりにYahoo天気にアクセスしてボタンアイコンにしてトップに置けば、ほとんどアプリケーションのように使える。辞書のアプリもapp storeにあり、実際ダウンロードしてインストールしたけれど、ウェブ上の辞書サイトをボタンアイコンの形で登録してもそれなりに利用できてしまう。

他にも同じようなことがいろいろある。その結果を端的に言うとどうなるか。
ぼくは胸のポケットの中に、時計を、カレンダーを、デジタルカメラと写真アルバムを、インターネットラジオとミュージックプレイヤーと録音機を、デジタル・マップとGPSを、手書きとデジタルのメモ帳を、動画や文字のニュースリーダーを、住所録とメーラーを、辞書や計算機を、ゲーム機を、映画館を、そしてもちろん電話機を……入れていることになるのだ。
なんたる情報の集積度だろう。

散歩しながら時間を確認し、音楽を聴くことができ、道ばたで花の写真を撮り、道に迷えばマップを表示して現在位置をGPSで探し出し、用事を思い出して電話して、ふと気になってニュースを確かめ、あるアイデアがひらめいたので急ぎ録音しておき、続いてカレンダーに予定を入れて、簡単なメールを作成して送っておき、ふと街角の商店の広告の言葉が気になってウィキにアクセスして納得。……というような散歩になる訳だ。

これは散歩なのか。
iPhoneは人間をどこか別の所に運んでしまうかもしれない。
圧倒的に便利ではある。
でも、「ばーか」の声も忘れずにいよう。
iPhoneは(人間は)ひっくるめて「ばーか」かもしれない。
というそのことを。

便利なことと、大切なこととが、必ず重なるとは限らないのだから。

iPhoneとは、何だろう。

« 2008年8月24日 - 2008年8月30日 | トップページ | 2008年12月14日 - 2008年12月20日 »

カテゴリー

  • dozeu.net『雑想ブック』
    平成17年に自主製作した僕のエッセイ集です。
  • まちづくり
    地域づくりコーディネーターとして働いています。市民活動団体、NPO等で地域活動にもかかわっています。
  • 感想・思索
    読書や、観劇、コンサート等の感想や、日々触れるさまざまな事柄について考えたこと、感じたことなど。

最近のトラックバック

2016年10月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
無料ブログはココログ